本人許可なら問題ない?家族間でのクレジットカードの貸し借りは認められている?
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最終更新日:2023年09月28日
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知人や友人にクレジットカードを貸して欲しいと頼まれて、貸す人というのはそうそういないと思いますが、家族間ではどうでしょう。
意外とすんなり貸してあげるのではないでしょうか。特に、夫婦間であればなおさら抵抗なく貸してあげるはずです。
実際、クレジットカードを夫婦間で一緒に利用している、あるいは親のカードを子供が利用しているというケースは非常に多いです。
ただ、多くの方がここで一つの疑問を持つはずです。
「クレジットカードって本人が許可していれば、家族間で使っても問題ないよね?」
家族間であれば問題ないように感じる方も多いかと思いますが、実際のところはどうなんでしょうか。
そこで、今回は「家族間を含めたクレジットカードの貸し借り」について紹介していきたいと思います。
目次
クレジットカードの貸し借り。本人が許可すれば問題はない?
結論から先に言うと、家族間でのクレジットカードの貸し借りは、たとえ本人の許可があったとしても ”違反行為” となってしまいます。
このことは、クレジットカードと一緒に送れてきた「約款(やっかん)」にも記載されていることで、カード会社は本人以外の使用を ”一切” 認めていません。
もちろん、例外はなくすべてのカード会社がこれを禁止事項としています。
カードの所有権は当社に属し、カード及びカード情報はカード表面に印字された会員本人以外は使用できないものとします。また、会員は、現金化を目的として商品・サービスの購入などにカードのショッピング枠を使用してはならず、また違法な取引に使用してはなりません。
三井住友VISAカードの会員規約より抜粋
カードは、カード上に表示された会員のみが利用でき、カード上に表示された名義人以外の者(以下「他人」といいます。)に、譲渡、質入れその他の担保提供、貸与、寄託、占有の移転その他一切の処分をすることはできません。ただし、本規約で別に定める場合または当社が特に指示した場合はこの限りではありません。なお、当社が必要と認めてカードの返却を請求したときは、会員はこれに応じるものとします。
NICOSカードの会員規約より抜粋
カード上には会員氏名、会員番号、カードの有効期限等(以下「カード情報」という。)が表示されています。カードはカード上に表示された会員本人以外は使用できません。
JCBカードの会員規約より抜粋
いずれのカード会社の会員規約にも書かれていますね。”本人以外は使用できない” と。
ですから、たとえ夫婦間であっても、クレジットカードの貸し借りは禁止。違反行為となります。
カード会社に貸し借りしたことがバレたらどうなる?
では、カード会社にカードを貸し借りしていたことがバレてしまった場合はどうなるのでしょうか?
これは、カード会社や状況によっても違ってきますので一概には言えませんが、注意だけで済む場合もあれば、利用停止処分を受けてしまう場合もあります。
悪質だと判断された場合は、強制解約になってしまうこともあります。しかも、事前に通知や催告などがあるわけではなく、突然カードの返却を請求されてしまいます。
「いきなり強制解約だなんてあんまりだ!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、規約違反を犯しているため文句は言えませんね。
約款(やっかん)って何?
冒頭で「約款(やっかん)」という言葉が出てきましたが、これって一体何なのでしょうか。
簡単に言うと、「カード会社と利用者との間の取り決め。約束事が書かれた書類」のことです。
カード利用者は、約款にかかれた約束事(ルール)をきちんと守ってカードを利用してくださいね。と解釈してもらえれば良いかと思います。
「約款」には、非常に重要な契約事項が書かれていますので、本当は一通り目を通しておく必要がありますが、なかなか隅から隅まで読んでいる方というのは少ないのではないでしょうか。
なんせ文字が小さく読みづらいうえに、内容も堅苦しい。しかも、専門用語も多いときてます。
途中で読むのが面倒になってくるのも仕方のないことです。
とは言え、やはり重要なことが約款には書かれていますので、一度も読んだことがないという方は、お時間がある時にでもざっと目を通しておいてくださいね。
そもそもカードの所有権は会員ではなくカード会社にある
カードの所有権は、会員が持っているようにも思えますが、実際はカード会社にあります。
「カードの所有権は当社に属します。」
会員規約を見れば、このように書かれているはずですが、カード会員は、あくまでカード会社からクレジットカードを ”借りている” という状態になります。
ですから、「本人が許可してるのだから問題ない」というのは、自分の持ち物ではない以上、成立しなくなってしまいます。
会員がいくら許可しようが、カード会社が許可していないので、認められないということですね。
違反行為にあたるとは言え実際は使えているケースが多い
本人以外がカードを利用することは禁止事項となっていますが、実際のところは使えてるケースが多いのも事実です。
特に、サインも暗証番号も必要ない、いわゆるサインレスで買い物ができるコンビニやスーパーなどでは、普通に使えてしまうことが結構あります。
お店によっては、サインが必要な場合でも、そのまま使えるというところもあるくらいです。
通常であれば、利用者がクレジットカードを提示すれば、カード加盟店は以下の2点を確認する注意義務が発生します。
- カード使用者が本人であることを確認する。
- カードの署名と伝票の署名が一致することを確認する。
この2点をきちんと確認すれば、本人以外の利用はできないはずなのですが、なかには、きちんと実施できていないお店も少なからず存在しています。
私も買い物は、基本すべてクレジットカードを利用しますが、カードの署名と伝票の署名をまったく確認していない店員さんもたまに拝見します。
「借りたカードでも普通に使えている」
こういった状況などから、クレジットカードの貸し借りにあまり抵抗を感じない方が多いのかもしれませんね。
貸し借りによって起きたトラブルは補償されない
「カード会社にバレなければ問題ない」
大きな声では言えませんが、確かにカード会社にバレなければ、家族で貸し借りしていようが何の問題もありません。
ですが、万が一、カードの貸し借りによってトラブルが起きた場合、非常に大きな問題となってしまいます。
例えば、
- 人にカードを貸したら、限度額いっぱいまで利用された
- 貸していたカードを落として不正利用された
こういったケースの場合、通常であれば「盗難保険」が適用され、被害額はカード会社が全額補償してくれるのですが、カードの貸し借りが原因の場合は、話が違ってきます。
カード会社は一切何もしてくれず、すべて自分で処理しなければならなくなります。多額の利用をされたとしても、自分で全額負担しないといけないということです。
さらには、貸し借りによって生じた利用代金に対して、一括返済を求められることもあります。
「金銭トラブル」
カードの貸し借りでもっとも怖い事例の一つですね。
カード会社に嘘をついたらどうなるの?
「本当は人に貸していたけど、カード会社には貸していないことにすれば良いのでは?」
実際、カードの貸し借りによってトラブルが起きた場合、このように考えてしまうこともあるかもしれません。
ですが、これはあまりいい考えとは言えません。
なぜなら、たとえ嘘をついてカード会社に伝えたとしても、カード会社が調査をすればすぐにバレてしまうからです。
もしも、嘘をついていたことがカード会社に発覚すれば、逆に「詐欺罪」で訴えられてしまう可能性もあります。
これは非常にリスクが高いです。絶対にやめておきましょう。
クレジットカードはきちんと保管しておく
夫婦間でのカードの貸し借りでは、金銭が絡むような大きなトラブルになることは少ないかもしれませんが、最近では子供が親のクレジットカードを無断で利用するケースが非常に増えてきています。
その要因の一つが、課金制のスマホゲームです。
オンライン決済は、実店舗での利用とは違い、カード番号と有効期限さえ分かれば、子供でも簡単に利用することができてしまいます。
本来であれば、親の了解を得てから課金するのが原則ですが、なかには親のカードを勝手に使って課金をしてしまい、トラブルになってしまうこともあります。
子供の無断使用が発覚した後に、「子供が勝手にやったことだから、取り消してほしい」と、カード会社に頼んだとしても、取消に応じてくれるケースは非常にまれです。
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
民法第五条より
確かに、民法上では未成年者(20歳未満)が無断で行った契約については、法定代理人(多くは親権者である両親)が取消すことができることになっています。
ですが、多くの場合不正利用とは処理されずに、普通に利用料金を支払うことになります。
なぜなら、カード会社からしてみれば「本当に子供が無断使用したのかどうか」ということの判断ができないためです。
逆に、カード会社から管理責任を問われてしまい、利用停止処分を受けてしまう場合もあります。
大切なことは、たとえ家の中であってもクレジットカードをきちんと管理しておくということですね。
まとめ
今回は、「クレジットカードの貸し借り」について紹介してきました。要点をまとめると
- クレジットカードは、たとえ夫婦であっても本人以外は使用してはいけない。
- クレジットカードの所有権は、会員ではなくカード会社が持っている。
- カードの貸し借りがカード会社に発覚すれば、利用停止あるいは強制解約になる可能性がある。
- カードの貸し借りによって起きた金銭トラブルは、すべて自己負担となる。場合によっては、一括返済を求められることもある。
- カード会社に対して嘘の証言をすれば、詐欺罪で訴えられてしまう危険性がある。
- 家の中でもクレジットカードは厳重に保管しておく必要がある。
となります。
クレジットカードの貸し借りを、家族間ですることにあまり抵抗を感じない方もいるかと思いますが、これも立派な規約違反です。
クレジットカードの利用は、カード会社との信頼関係によって保たれています。家族間で利用するなら「家族カード」を発行するなどして、きちんとルールを守って利用していきましょう。