クレジットカードの領収書について。発行義務、再発行、経費を徹底解説

公開日: : 最終更新日:2016年06月14日 基本知識

クレジットカードの領収書について。発行義務、再発行、経費を徹底解説
クレジットカードと領収書について気になることと言えば、次の3点ではないでしょうか?

  1. 領収書の発行はしてくれるのか?(お客さん側からの視点)
  2. 領収書の発行義務はあるのか?(お店側からの視点)
  3. カード会社から送られてくる「利用明細書」は領収書のかわりになるのか?

 
領収書は、会社の経費で落とす場合や個人事業主が確定申告をする際に必要となる書面ですので、接する機会も多いかと思います。

領収書が急に必要となった場合でも、事前に確認しておけば安心です。

それでは、上記の気になる3点について紹介していきたいと思いますが、その前に「領収書」について少し触れておきたいと思います。

少々長くなりますので、興味のない方は「クレジットカードと領収書の気になる3点について」からお読みください。

領収書ってそもそも何のこと?

領収書とはお店で購入した商品やサービスなどに対して、金銭の受渡しが確実に行われたことを証明するために、金銭を受け取った側が支払者に対して発行する書面のことです。

お金を支払った側からすれば、確実にお金を支払ったことを証明することができ、お金を受け取った側は商品やサービスの対価として、お金を受け取ったことを証明したことになります。

領収書の役割とは?

領収書の役割としては大きく分けて下記の4つ。

  1. お金を確実に支払ったことを証明するもの
  2. 再度請求、二重払いの防止
  3. 会社の経費で落とす場合
  4. 確定申告をする際の経費としての証拠

 
上記4つを見ると、領収書は「お金を支払った側」に対してメリットが大きい書面だということがわかります。

そのため、お金を支払ったことをいつでも証明できるように、商品やサービスなどを買った際には必ず領収書を受取る必要があります。領収書をもらっていなければ、もしもの時にお金を支払ったことを証明できなくなってしまいます。

また、5万円以上の領収書については、金額に応じて収入印紙を貼る必要があります。

収入印紙とは簡単に言うと「印紙税という税金」のことです。この印紙税は印紙税法で定められた課税文書と呼ばれるものに対して課税されます。

課税文書とは

  1. 印紙税法別表第一(課税物件表)に掲げられている20種類の文書により証明されるべき事項(課税事項)が記載されていること。
  2. 当事者の間において課税事項を証明する目的で作成された文書であること。
  3. 印紙税法第5条(非課税文書)の規定により印紙税を課税しないこととされている非課税文書でないこと。

 
上記3つのすべてに当てはまる文書のこといいます。

印紙税額については下記を参照してください。

【印紙税額一覧表】

記載された受取金額印紙税
5万円未満非課税
100万円以下200円
100万円超 ~ 200万円以下400円
200万円超 ~ 300万円以下600円
300万円超 ~ 500万円以下1千円
500万円超 ~ 1千万円以下2千円
1千万円超 ~ 2千万円以下4千円
2千万円超 ~ 3千万円以下6千円
3千万円超 ~ 5千万円以下1万円
5千万円超 ~ 1億円以下2万円
1億円超 ~ 2億円以下4万円
2億円超 ~ 3億円以下6万円
3億円超 ~ 5億円以下10万円
5億円超 ~ 10億円以下15万円
10億円超20万円
受取金額の記載のないもの200円

※以前は、3万円以上から収入印紙が必要でしたが、平成26年4月1日より5万円未満は非課税となりました。

領収書を紛失した場合はどうなる?

万が一、受け取った領収書を失くしてしまった場合には、再発行ができないことが多いので保管には十分注意が必要です。

これは、二重計上や経費の水増しを防止するための措置となります。

よく大きな医療機関の受付や会計窓口に「領収書の再発行は致しません。」と記載されていたり、領収書の下の方に「領収書の再発行は致しませんので、大切に保管してください。」と明記されているのはそのためです。

とはいえ、人間ですから失くしてしまうこともあるかもしれません。そういった場合にはあきらめるしかないのでしょうか?

領収書を失くしてしまった場合はあきらめるしかない?

失くしてしまった領収書を再発行してくれるかについては、発行元(お店)によってそれぞれ対応が変わってきます。

まず根本として、領収書を発行した側に再発行しなければならないという法律上の義務は一切ありませんので、領収書の再発行依頼を断ったとしてもなんら問題はありません。

ですから、先に述べたように「領収書の再発行は致しません。」とあらかじめ記載されている場合には、あきらめるしかないのかもしれません。

ですが、お客さんあっての商売、個人でやっているお店などではお客さんから要望をむげに断るわけにもいきません。

そういった場合には、領収書に「再発行」と明記して発行してくれる場合があります。そうすれば失くした領収書が出てきたとしても、二重計上や経費の水増しを防止することができます。

このようなありがたい対応をしてくれる場合もありますので、領収書を失くしたからといってあきらめず、一度確認してみることをおすすめします。

 
以上、領収書についての紹介でした。少々長くなりましたが、ここからクレジットカードと領収書の気になる3点について紹介していきたいと思います。

クレジットカードと領収書の気になる3点について

クレジットカードと領収書の気になる3点については下記の3つ。

  1. 領収書の発行はしてくれるのか?(お客さん側からの視点)
  2. 領収書の発行義務はあるのか?(お店側からの視点)
  3. カード会社から送られてくる「利用明細書」は領収書のかわりになるのか?

 
まずは、「領収書の発行はしてくれるのか?」、「領収書の発行義務はあるのか?」の2つについて。

領収書の発行はしてくれるの?発行義務はあるの?

結論から先に言いますと、金銭の受渡しをしないクレジットカード払いの場合は、領収書の発行はしてもらえません。逆を言えば、お店側は領収書を発行する義務はありません。

それはなぜか?領収書は「金銭の受領の証」としての役割を果たす文書となりますので、金銭ではなく商品の引き渡しをおこなっただけのカード利用者とお店側との間では領収書の発行が成り立たないためです。

ですから、いくらカード利用者が領収書の発行を求めても、お店側には発行する義務はないので断られてしまいます。

え?でもお店で領収書をお願いしたら発行してくれたよ?ネットショップで領収書を希望したら発行してくれたよ?という方もいらっしゃるかと思います。

ですがそのような場合には必ず、領収書の但書(ただしがき)に「クレジットカード利用」など、カード払いであることがわかるように明記されているはずです。下記図参照

領収書 クレジットカード利用

これは、書面上では領収書と明記されてはいますが、厳密には領収書とはみなされません

このことは国税庁のサイトに記載されています。

第17号の1文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)は、金銭又は有価証券の受領事実を証明する目的で作成されるものです。クレジット販売の場合には、信用取引により商品を引き渡すものであり、その際の領収書であっても金銭又は有価証券の受領事実がありませんから、表題が「領収書」となっていても、第17号の1文書には該当しません。
なお、クレジットカード利用の場合であっても、その旨を「領収書」に記載しないと、第17号の1文書に該当することになります。

表現が堅いですね。ようするに、

領収書とはお金の受渡しがあったことを証明するために作成される文書のこと。

お金の受渡しではなく商品の引き渡しとなるクレジットカード利用の場合は、領収書と明記されていても領収書とはみなしませんよ。

ただし、領収書に「クレジットカード利用」などと記載していない場合は、クレジットカード払いであっても領収書とみなしますよ。

 
ということです。はっきりと書かれていますね。お店が発行する領収書は領収書ではないと。

では、5万円以上の場合に必要となる収入印紙はどうなるのでしょうか。

領収書ではないのなら収入印紙はどうなる?

領収書としてみなされないということは、購入した金額が5万円以上の場合であっても「収入印紙」が貼られることはありません。

逆に言えば、お店側は購入金額が5万円以上の場合でも収入印紙を貼る必要はありません。

 
そうなると、会社の経費で落とす場合や個人事業主が確定申告の際に経費として計上するためには、「領収書が発行されない」または「発行されても領収書としてはみなされない」クレジットカード払いは利用できないということになるのでしょうか?

経費として計上するためにはクレジットカードは使えない?

結論から先に言いますと、クレジットカード利用の場合でも領収書にかわるものさえちゃんと用意できれば、経費として計上することができます。

では、領収書にかわるものとはいったい何でしょうか?

ここから、3つめの「カード会社から送られてくる「利用明細書」は領収書のかわりになるのか?」について紹介します。

「利用明細書」は領収書のかわりになる?

カード会社から送られてくる「利用明細書」は領収書のかわりになりますので、利用明細書さえ保管していれば問題ありません。

という内容のことをよく目にしますが、はたして本当にそうでしょうか?

国税庁のサイトにこのような記載があります。

クレジットカード会社がそのカードの利用者に交付する請求明細書等は、そのカード利用者である事業者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が作成・交付した書類ではありませんから、消費税法第30条第9項に規定する請求書等には該当しません。
しかし、クレジットカードサービスを利用した時には、利用者に対して課税資産の譲渡等を行った他の事業者が、「ご利用明細」等を発行しているのが通常です。
この「ご利用明細」等には、①その書類の作成者の氏名又は名称、②課税資産の譲渡等を行った年月日、③課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容、④課税資産の譲渡等の対価の額、⑤その書類の交付を受ける者の氏名又は名称が記載されていることが一般的であり、そのような書類であれば消費税法第30条第9項に規定する請求書等に該当することになります。

これも表現が堅いですね。ようするに、

カード会社から送られてくる利用明細書は、商品を購入したお店が作成した書類ではないので、領収書のかわりにはなりませんよ。

でも、お店でクレジットカードを利用したら「利用明細(お客様控え)」を発行してくれるよね。

その「利用明細」には

  1. 書類を作成した人やお店の名前
  2. カードを利用した年月日
  3. 取引内容(何を購入したか)
  4. 金額(いくらで購入したか)
  5. 書類を受取る者の氏名や名称 ← (なくても問題ない)

 
が記載されていることが一般的だから、そのような書類であれば領収書としてみなしますよ。

 
ということです。はっきりと書かれていますね。カード会社から送られてくる利用明細書では領収書に該当しないと。領収書とみなすためには次の2点を満たしている必要があると。

  1. 商品を購入したお店が作成した書類であること
  2. 5(4)つの記載事項を満たしていること

 
カード会社から送られてくる利用明細書には「利用日」、「利用先(お店の名前)」、「利用金額」の記載はされていますが、「取引内容」の記載がありません。そもそも、「購入したお店が作成した書類ではない」という点で要件不足となってしまいます。

以上のことから、カード会社から送られてくる「利用明細書」では、領収書のかわりにはならないということになります。

では、領収書にかわるものとはいったい何でしょうか?

それは、上記2つの条件を満たしているもの、つまりクレジットカード利用の際にお店から発行される「利用明細(お客様控え)」が領収書のかわりとなります。
国税庁のサイトに『このような書類』と記載されていることから、条件を満たしていれば「レシート」でも可能。

とは言うものの、実際問題カード会社から送られてくる利用明細書だけで、税務職員から指摘を受けることなく税務調査をクリアしたという話もありますので、利用明細書が領収書のかわりにならないと言い切ることはできないのかもしれません。

ですから、「カード会社からの利用明細書」と「利用明細(お客様控え)」の両方を保管しておくことが一番良い方法ではないでしょうか。

以上、クレジットカードと領収書についての気になる3点についての紹介でした。

最後に、領収書などの書類は最大で7年間の保存が義務付けられています。それは、税務調査があった場合に最大7年間さかのぼって調査を受ける事になるためです。

利用明細(お客様控え)やレシートは期間が経つにつれて印字が薄くなっていきますので、保管方法や保管場所には十分注意してください。

 

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